当たり前のことですが、営業研修はいくらスキルを伝えたところで、現場で実践しなければ成果に結びつきません。
極端なことを言えば、研修アンケートで「勉強になりました」「わかりやすかったです」と書かれても、実際にやってみて業績があがらないのであれば、その研修はあまり意味のなかったものであると感じています。
そこで、アフターフォロー研修のように2回、3回と数回にわたって研修がある先では、必ず前回の研修からの営業件数をカウントしてきてもらうようにしています。
金融機関の窓口の場合、営業だけが業務ではなく他の手続きを受け付けながらそこにプラスαで営業を加えていく必要があるのです。
さらに言うと、振込にご来店した方に投資信託や保険などを提案するという、来店理由とは別の商品を提案するということをしなくてはなりません。
だから若手職員などは「処理で精一杯で営業する余裕(時間)がない」ということがあります。
そこで、1日に1件はセールス(声かけ)をするように決め、窓口でもかまいませんし、店舗を閉めたあと電話で行っても構わないので、とにかく実践してくるように伝えているのです。
それでも、1日1件をきちんとやってくる受講生はほんの数人にとどまります。
セールスが”できない”のではなく、”やらない”のです。
「こうすれば良かった」の積み重ね
やってみたら、うまくいかないこともあるでしょう。
「あの時、こう言えばよかった」・・・
そう思ったら、次に言うことを準備できますよね。
そして、回数を重ねるとお客様がどんなことを言うのかも予想できるようになります。
だから、行動件数を増やすということがまず必要になってくるわけです。
「何件やってもこのままだとうまくいきません」
先日、指示したとおりに1日1件以上のセールスをしてきた受講者が、研修後に相談に来ました。
「セールスすることに抵抗もなくできるようになりましたが、このまま続けていても成果が出るように思いません」と言うのです。
そこで、実際に行ったひとつの事例をお聞きしました。
お客様はちょうど引越しをされたそうです。高齢のお客様のメインバンクは他行でした。
「私だったら、まず、どこからどこへなぜ引越ししたのかを聞くかな・・・
そして、他行の位置関係と取引の仕方などによって、どのようにうち(研修先の金融機関)を使ってもらったら便利なのかを考える」
ここまで伝えたところ、「あ〜、商品のことではなくて、もっとお客様のためになる大きいことを考えているんですね」と彼女は言いました。
そして、引越し先もその理由も他行情報も何も聞いていないことに気づきます。
しかし、上記の質問が出てきたのは、実際に自分が何度もやってみたからこそ「自分のやり方ではうまくいかない」ということに気づけたのです。
彼女のようにまずはやってみましょうよ。
そして、うまくいかなくても、やりながら軌道修正していけば良いですよね(^^)/
いくつもいくつも改善していきましょう。
その積み重ねは大きな財産になります。
この彼女が次回どんな成果を持ってくるのか、楽しみです。