少しずつリアル研修が再開してきました。
先日あった若手職員向けの研修で、研修前に部長からご挨拶があった時のことです。
部長の話していることをメモしているのは、会場の中でたった一人だけでした。
今年度は新入職員研修などもなかったために、メモを取るなどの基本的な姿勢も学ぶ機会がなかったのかもしれません。
私はメモをとっていた女の子に注目しました。
報告書なども真面目に書いており、研修の受講態度も良く、とても好感がもてます。
しかし、宿題として1日1件、ある商品のセールス(声かけ)をしてくるように指示してあったのですが、彼女は宿題の件数を満たしていませんでした。
理由を尋ねると、業務が手一杯でセールスする時間がとれないというのです。
よくよく聞くと、自分でわざわざ業務のマニュアルを作っているとのこと。
そして、研修中の彼女を見ていると、メモをとり、そのメモを整理してノートに書き写しています。
これでは同じことをするにしても人の2倍時間がかかってしまうのも無理ありません。
そこでまず、オリジナルで業務マニュアルを作る必要があるのか、考えてもらうことにしました。
なぜならば金融機関はもともと規定集などもありますし、他の職員はマニュアルを作らなくても、業務に支障がなく行えているからです。
ただし彼女の場合、自分だけのマニュアルを作りながら業務を覚えているのかもしれません。
性格上、一からマニュアルを作らないと気が済まないということもあるのでしょう。
なので、あまり業務に支障のないような簡単なものからまずは見直してもらうように指示しました。
セールスにおいては、お客様の対応に合わせてアプローチの仕方を変えていく必要があるので、全てマニュアル通りにはいきません。
だから、数やることがとても大切なのです。
件数をこなしていかないとなかなか応用もききませんし、何より身についていかないでしょう。
彼女のように真面目で、真剣に業務と向き合っている職員にはなおさら、結果を出させてあげたいと思いました。
そして、今回のようにやれていない背景を知ることで、対処法も変わってきます。
時間が作れないでいる人に「とにかく宿題だからやってきて」と言うだけでは、本人を追い詰めるだけになりますので、管理者などが背景を訊いてあげるとよいでしょう。