最近、自分の思い込みから会話がズレるということが立て続けに起きました。
私は相手が話したいことをAだと決めつけ、相手はBのことを話していた…話に食違いが起きるのは無理ありませんね。
皆さんにはそんな経験はありませんか?
カウンセラーの思い込み
以前、心理学を何年も学んでいました。
「再決断療法」のワークショップに参加した時のことです。
再決断療法とは自分が幼児期に決断した人生の思考(行動)パターンが今の自分を苦しめているような場合に、過去の記憶の中に戻り、再決断し、これからの思考パターンを変えるものと私は理解しています。
例えば、幼少期に母親から「お前なんて産まなければよかった。私の手をかけるようなことをしないで」と言われたとします。その際に「自分は価値のない人間だから、人の手を借りてはいけない」と決断してしまい、その後の人生において、人に助けを求めたり、甘えたりしなくなるというようなことがあるのです。
ワークショップの中では、希望する代表の方が自身のことを語り、カウンセラーが誘導して再決断をしていきます。
代表となった方は、その過程で、泣いたりわめいたりすることが多いのです。
上記の例でしたら、幼児期に戻って母親に向かって「俺を産んだのだからきちんと面倒をみろよ」と怒りをぶつけたり、「ママにそんなことを言われたらすごく悲しい」と泣き伏せたり…人によってその反応はさまざまですが、その時の押さえ込んできた感情を吐き出します。
私は勉強がてら興味心からワークショップに参加したので、意識している段階では生きづらさのようなものは感じていませんでした。
それでも、無意識の中に何かあるかもしれないと、手を挙げて代表になったのです。
弟を若くして亡くしているので、その時のことを話しました。
私には「大切な人が急にいなくなる」ことへの不安があります。
カウンセラーの誘導に従い私は自身のことを語りました。
泣くこともわめくこともしませんでしたが、私なりにその時の想いを感じて、それなりの気づきもあり、体験したことに満足したのです。
その日の懇親会に移動するエレベーターの中で事件は起きました。
一緒に参加していた方から「おまえ、鈍いやつだなぁ。先生困っていただろう」と言われたのです。
その時、「なぜ私がそんなことを言われなければならないの?」悔しさやら怒りやら悲しいやら、その場で泣いてしまいました。
そのワークショップには先生のお弟子さんであるカウンセラーの方が何人も参加していました。
懇親会の会場で、泣いてる私を見て、そのカウンセラーの方たちから言われたのです。
「良かったですね」と。
私が泣いているのは、その後、なにかの気づきがあり、感情を吐き出せたからと皆さんは思い込んでいるようでした。
私はなんて怖い状況なんだろうと感じたものです。
その後、私は自分に起きた出来事を参加者の前でシェアして、そのワークショップで起きたことはその場で終わらせました。
銀行の窓口の思い込み
銀行でも同じような経験があります。
「保険の見直しをしたいんです」と言って3つの銀行をまわった際、今現在加入している保険を「解約」「減額」「払い済み」にしましょうという提案を受けました。
つまり「保険料を安くする」提案です。
家族構成を聞かれた以外はどこも他に何も聞きません。
私はひとことも「保険料を安くしたいんです」とは言っていないのです。
保険の見直し=保険料を安くするという思い込みです。
また、私たちはお客さまの雰囲気で、「この人は怖い人。だから話を聞いてもらえない」と思い込んで、そもそも声かけをしないというようなことを無意識にしている場合があります。
「相手は○○の人」と決めつけてしまうと、そうではない部分が見えなくなってしまうのです。
家族や友人など特に身近な人に対してやりがち!
だからこそ、「知っている」「わかっている」つもりにならずに、ニュートラルに関わる、つまり、相手のことを見たり聞いたりして、理解しようとし続けることがとても大切なのではないでしょうか。