目標達成

答えの引き出しを多く創ろう

春にできなかった研修がいよいよ後半になってようやく開催し始めました。

先日、新任渉外担当者の研修を2日連続で担当した時のことです。

研修が終わり、最後の30分ほどを質疑応答の時間にしました。

質問は研修の内容もさることながら、もうすでに現場で担当者として動いているので、実践してみて相談したいことも受け付けました。

そこで、時間の許す限り質問に答えていったわけですが、その日の受講者アンケートに、その質疑応答のことについてのコメントが2件あったのです。

ひとつは、「質疑応答の時間を設けるなら、その分早く帰りたい」という意見。

もうひとつは、「皆さんの悩んでいることもわかり、それに対する先生の答えがすぐに実践できるものでとても参考になり、貴重な時間でした」との感想。

ずいぶん捉え方が違いますね。

まず、前者のように気持ちを正直に書くのは、私はとても良いことだと思います。そのような思いが、改善策になる場合があるからです。ただ「早く帰りたい」というその気持ちはよくわかりますが、そもそも「研修」は「仕事の一環」なので、このコメントに残念な思いも残りました。

一方の後者は、研修で学ぼうという気持ちが伝わってきて、講師からしてみたら望ましい受講者です。

この何かに臨む姿勢の違いで、学びの大きさも変わるし、充実感も異なります。そして、ときには相手の反応や感情にも影響を与えます。

さらに、ふたりの受講者が研修後に相談にきてくれました。

ふたりともそれぞれに実際に起こっている案件について、「このような場合はどうしたらいいと先生は思いますか?」という質問でした。

この質問だけで、おふたりが日頃どのように業務に向き合っているのかも伝わってきますし、そんな風に一生懸命考えてもらえるお客様だって嬉しいに違いありません。

そして、3人で話をしたのですが、その情報を掴んで、あまりいろいろ考えずにとにかく動くAさんと、その情報を知ってしまったから、あれやこれや考えてしまって動けなくなるBさんに分かれました。

そこで、Bさんは「だからAさんのほうが成績が伸びている」と気づいたようです。

それぞれの相談のケースに、もし私だったらその時にどう動くのかをお伝えしました。私の行動が正解なわけではありません。

とりわけセールスにはクライエントがいることですから、コレ!という正解はなく、自分の中でいくつも答えを探していくことが大切です。

だから、自分の体験はもちろん、他の人の経験も自分事としてとらえて考えることができると、同じ自分の経験として生かすことができます。

これらのことを繰り返すことで、自分の中でいくつもの答えの引き出しができ、お客さまや状況が変わっても、うまく対応できるようになります。

私自身ももちろん金融機関の窓口で営業をしていた経験もありますが、受講者からさまざまなケースを聞いたりしているので、自分の対応ではないお客様の反応を知ることができ、それらも含めて、どのようなケースの質問にも答えることができるのです。