このようなご時世で子どもも大人もストレスフルな社会になっており、前回ストレスについて書きました。
ストレスマネジメントにおいて重要なのは、”早い段階で自分でストレス状態にあることに気づく”こと!
そして、そのために、自分の気持ち(心の状態)を日頃から感じ、表現することを提案しました。
相手がいる場合には、この表現の仕方によって人間関係に影響を及ぼしますね。良い方向にも悪い方向にも。
だから、「そんなこと言えない」という方もいます。
最近は、人間関係に対してナーバスな方が多く、自分の気持ちに蓋をしている方が多くなっているように感じるのは私だけでしょうか?
前回、「負の感情」という表現をしましたが、そもそも気持ちに良いも悪いもなく、私たちに湧いてくるものですよね。
私は、よくない感情だからと自分の中に溜め込んだり、見ないようにしたりするほうが、悪影響を及ぼすと思っています。
その段階で自分を否定してしまいがちだからです。
コミュニケーションにおいて、信頼関係を築いていくためには自分も相手も”お互い”に大事にするということが大前提になります。
相手に嫌な思いをさせたくないから、自分は我慢するという状態は、自分を大切にしていません。
そして、我慢していることに、相手も気づかないままその関係が続くというのも良いことだと思いません。
では、相手になんでもかんでも感情をぶつければ良いのかというと、それもうまくいかないでしょう。
では、どうしたら良いのでしょうか?
素直な子どものキャラクターで伝える
「青」のコミュニケーションで人生を変える(経法ビジネス新書)の中で詳しく紹介していますが、私たちの中には6つのキャラクターがいると仮定します。
6つのキャラクターとその特徴は下記のとおりです。
- 優しい親…相手に対して理解があり、気遣いがある。相手の望んでいることに応えようとする
- 批判的な親…相手を認めず、見下し声を荒げて怒ったり、皮肉を言ったりする
- 仕事のできるビジネスパーソン…コンピューターのように情報を取り込み、保存、発信。理性的、論理的、合理的
- 素直な子ども…自分の気持ちに正直で、欲求や要望、感情をそのまま表現する
- 反抗的な子ども…すべてに反対して、やらない。問題に対して、過剰に反応して怒る
- いじけた子ども…自分に対して否定的で、自分の意思を伝えることができず、相手に合わせる
自分と相手にそれぞれ6つのキャラクターがいて、そのうちのひとつが表面に出てきて相手とやりとりするとします。
6つのキャラクターの中で「青」で示されているのが、相手のことも自分のことも大切にし、自分の言いたいことを率直に伝えることができ、お互いの意思疎通が図れ、情報を交換したり、気持ちを通じ合わせて共感できるキャラクターです。
例えば、「自分のことなんて言えない」というのは、いじけた子どものアプローチです。赤のアプローチは相手の赤のキャラクターを誘います。
「あなたは言いたいことを言えないからうまくいかないのよ!」なんて批判的な親のキャラクターを誘ってしまうかもしれません。
そこで素直な子どものキャラクターで自分の気持ちを表現します。子どものキャラクターはそもそも主語が「私」でIメッセージなのが特徴です。
例えば、相手に怒りを感じている時に、「あなたのこういうところが頭にくるのよ」と言えば批判的な親からの表現で「あなたが悪い」ということを伝えています。
相手が悪いかどうかではなく、それに対して素直な子どものキャラクターで「私は腹立たしく思ったのよね」と伝えるのです。
過剰に反応して怒るのは反抗的な子どもです。
同じ言葉でも、声のトーンや表情、姿勢や身振り態度がキャラクターによって異なります。
自分がどのキャラクターからどんな風に、相手にこの気持ちを伝えたら効果的に伝えることができるのか・・・これを考えているのは仕事のできるビジネスパーソンのキャラクターです。
カーっとなってしまってそのまま表現したら反抗的は子どもや批判的な親になりますが、今自分がどのキャラクターなのかを考えた瞬間に、青のキャラクターにシフトできますね(笑)
青のキャラクターからでるアプローチは、相手の青のキャラクターを誘います。
素直な子どものキャラクターは相手の優しい親か素直な子どものキャラクターを誘うので、「あなたにそんな思いをさせてしまったのね」と理解してもらえるかもしれないし、「それは腹がたつ」と共感してもらえるかもしれません。
もちろん1回青のアプローチしたから、必ず青の答えが返ってくるわけでもありませんので、自分が青のキャラクターでい続けることが大事です。
自分の感情や要望を伝えなければ、相手にわかってもらうこともできませんし、要望を叶えることもできないでしょう。
しかし、伝えることで共感してもらえたり、要望に応えてもらえる可能性はでてきます。
「腹がたつ」とか「悲しい」「寂しい」そんな負の感情と思われるものは、その相手に共感してもらえたり、理解してもらえると癒されることがあります。
そして、心の中にためずに外にだすことにも、とても意味があることだと思っています。
青のアプローチを続けてみても、相手から青のキャラクターが出てこないのであれば、その人との付き合いを考えてもいいのかもしれませんね。
その時に注意したいのは、本当に自分が「青のキャラクター」でいたかということを確認することです。
腹が立ったり、悲しいことがあったりすると、相手を責めたり否定しがちだったりしますものね。
ここでは、「腹立たしい」という感情を例にしましたが、日頃気持ちを伝えることに慣れていない方は、「楽しい」「嬉しい」というようなワクワクする感情から伝えてみたらいかがでしょうか?
その気持ちが倍増して、さらに良いことが起こるかもしれませんよ。