営業と聞いてどんなイメージを持ちますか?
私は「営業」は最大のサービスと思っていますが、世間からすると多くの方がどちらかと言うとマイナスのイメージを強く持っています。
それはなぜかと言うと「押しつけられる」イメージが濃いからではないでしょうか。
自分は欲しくもないのに、セールスパーソンの利益のために押しつけられ、断りたいのに断れなくて相手が引くのを待っていてもなかなか引かない・・・
そんな状況が頭に浮かぶ人が多いのかもしれませんね。
そもそも人のニーズというのは
夢や希望を叶える(近づける)
問題や悩み・不安を解消する(遠ざける)ところにあります。
上記を無視して勧めれば疎まれるのです。
「不幸」に営業パーソンはやってくる
人は快を得るよりも不快を避けたいという気持ちの方が強いので、人の問題や悩み・不安があるところにセールスチャンスがあることは確かです。
今までに嫌悪感を感じたセールスがあります。
それは、私に不幸なことが起きた時に近寄ってきたものでした。
母が悪性リンパ腫で余命数ケ月と宣告された時のことです。
私はそのことをSNSで打ち明けました。
多くの方が心配してくれて、母のために一緒に祈りを捧げてくれました。
その時に、あるサプリメントを紹介してくれた方がいたのです。
そのサプリメントを飲めば、いかにも治るという口ぶりでした。
彼は私や母に良かれと思ってくれたことは間違いないと思います。
善意からだったと思います。
しかし、その時に私の中には嫌悪感がありました。
なぜかというと、家族で話し合って今後の治療について、ある医師の方針に沿ってやっていくことを決めていたからです。
そして、それがダメなら母を安らかに逝かしてあげたいと思っていました。
もちろん大好きな母に少しでも長く生きていてほしいという気持ちもありましたが、母自身はは延命治療を望んではなかったからです。
もしかしたら、長生きしてほしいのに逝かしてあげたいとという矛盾した気持ちを理解できない人もいるかもしれません。
でも、そんな気持ちでいたのです。
世の中にはさまざまな情報があり、その中には素晴らしいものからとても良いとは思えないうさんくさいものまで数多く存在します。
もし、私がお医者様の治療法ではなく、何か他のものを試してみたいと思っていたらいろいろと調べたでしょうし、信頼できる人に聞いていたと思うのです。
そこにさほど親しくない知人からサプリメントの話です。
サプリメントを勧める前に「情報が欲しいか?」聞いてもらったら印象は違ったかもしれません。
「今どんな治療をしているのか」「お母さんに対してどんな気持ちでいるのか」「家族ではどんな話をしているのか?」聞いてくれたら話は違ったと思います。
むしろ母や私たちのことを想って、そしてその商品を本当に良いものだと信じて勧めてくれるのだと好意的に話を聞くことができたのかもしれないのです。
そして、その商品を購入するかは別として、私たちに想いを寄せてくれたことを感謝したことでしょう。
ここで勧められた人つまり顧客は、セールスパーソンがどちらを優先しているのかを感じ取っているのだと思います。
自分かセールスパーソンか・・・
セールスパーソンが優先されていると「お金」の匂いがするのです。
そして、私は嫌な思いをしましたが、藁をもすがる思いで情報が欲しい人もいると思います。
それはタイプ分けするものでもなく、状況にもよりますし、その人自身に聞いてみないとわかりません。
単に自分が教えたくて言うのは、相手ではなく自分を優先していることを自覚し、それが相手からどう見えているのかを考えた方が良いでしょう。
そして、提案するのであれば、お客様の背景を汲み取ったステップをきちんと踏んでいきましょう。
さああなたは、「疎まれる」か「感謝される」かどちらのセールスパーソンになりますか?